粘膜免疫法によるリーシュマニア症のコントロール:
原虫由来組換え蛋白
(Leish111f)を経鼻投与することにより,リーシュマニア原虫Leishmania major感染による病変の形成が完全に抑圧された.


狂犬病における経鼻免疫の有効性:
狂犬病は,致死率の高い人獣共通感染症であり,今なお年間3万〜5万人もの死者を出している.狂犬病においても,経鼻免疫マウスにおいて,中和抗体産生(下段左),免疫後の狂犬病ウイルス感染後のマウス生残率の上昇が認められ,経鼻免疫の有効性が示された.


植物ウイルスベクター(モザイクウイルス)を用いた,タバコ葉における狂犬病ウイルスG蛋白の産生.


コムギ胚芽無細胞蛋白合成系によるAs16蛋白の産生:
大腸菌を用いた組換え蛋白産生系では,フォールディング,LPS混入等の問題がある.安全なコムギ胚芽を用いた蛋白合成系により,感染防御効果のあるブタ回虫As16抗原が効率的に産生された.さらに,コムギ型コドンの使用により,蛋白産生効率が2倍以上上昇した(下段).


組換えイネの給餌によるブタ回虫感染防御免疫誘導:
ブタ回虫蛋白As16の遺伝子をイネに導入した組換えイネを作出し,その種子をマウスに経口投与すると,ブタ回虫感染を抑制する免疫が誘導された.


Fc分子導入によるウイルスの免疫誘導能亢進:
抗体分子のFc領域を人工的にウイルス表面に発現させたオーエスキー病ウイルス(PRV(RK/SK))は,通常のウイルス(PRV(RK13))よりも,抗原提示細胞に取り込まれやすく,より強くリンパ球を活性化する.
感染症って?
研究テーマ
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  • リーシュマニア原虫感染に対する原虫由来抗原(Leish111f)経鼻免疫による防御効果に関する研究
  • 植物ウイルスや遺伝子組み換え作物を利用した食べるワクチンの開発及びその効果の検討   
  • 粘膜免疫法の各種病原微生物に対する防御効果とその機構
  • 高等霊長類と他の哺乳類との間のスピーシーズバリア
  • 日本脳炎及びE型肝炎の感染におけるブタの役割(バリ,インドネシア)
  • 現在の標的病原体:リーシュマニア原虫,ブタ回虫,狂犬病ウイルス,オーエスキー病ウイルス,ニューカッスル病ウイルス,日本脳炎ウイルス,など