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井上 真(いのうえ まこと)

井上 真 (いのうえ まこと)
■ 名 前
井上 真(いのうえ まこと)
■ 所 属
農学国際専攻 国際森林環境学研究室 教授
個人HP
ゼミHP
■ 経歴
1983年3月 東京大学農学部卒
1983年4月 農林水産省林野庁林業試験場 研究員
1987年4月 国際協力事業団の長期派遣専門家として、インドネシア共和国東カリマンタン州の「熱帯降雨林研究プロジェクト」へ派遣
1990年1月 農林水産省林野庁森林総合研究所へ復帰
1991年4月 東京大学農学部 助手
1995年11月 東京大学農学部 助教授
1996年4月 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教授(森林科学専攻)
2004年8月 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授(農学国際専攻)
■ 専門分野
森林社会学、森林政策学、カリマンタン地域研究
■ 研究関心

研究関心アジア太平洋地域(とりわけ東カリマンタン)でのフィールドワークにこだわりつつ、地域を国家や世界と繋ぐ森林政策の研究をとおして、国際森林環境学の創成を目指しています。
具体的な研究分野は、相互に関連する次の4分野にまたがっています。

  1. 「地域研究」では、地域の人びとと森林との関係を純粋に追求します。特に、3年間滞在した東カリマンタン(ボルネオ島のインドネシア領)には継続して訪れ、生涯にわたって理解と友好を深めたいと思っています。
  2. 「地域発展論(地域開発論)」では、地域社会と自然資源に関するコモンズ論等を援用して、地域の発展のあり方を考えます。対象地はカリマンタンのみならず、日本を含むアジア全域です。時間が許せば、私自身が地域の人びとと一緒に何らかの活動に関わりながら研究を進める、いわゆるアクション・リサーチを試みたいと思い続けて早くも10年ほど経ってしまいました。
  3. 「資源政策論(環境政策論)」では、アジア諸国を対象として、様々なアクターの参加を通した森林および自然資源管理のあり方を考えます。下記の研究例で示している「協治」論はこの研究分野に含まれます。
  4. 「国際森林協力論」では、森林管理に関する国際協力(政府、NGO、企業)について考えます。
■ 研究例
東カリマンタンの上流部に位置する西クタイ県の試みからヒントを得て「協治」(collaborative governance)に必要な二つの理念(または原則)を抽出しました(井上真『コモンズの思想を求めて』岩波書店、2004年)。まず、「協治」とは、「中央政府、地方自治体、住民、企業、NGO/NPO、地球市民などさまざまな主体(利害関係者)が協働して資源管理をおこなう仕組み」のことです。このような「協治」を成立させるための不可欠な理念が「開かれた地元主義」と「かかわり主義」です。前者は、地域住民が外部者との協力を視野に入れた地元主義のことです。そして、後者はなるべく多様な関係者を地域森林資源「協治」の主体としたうえで、かかわりの深さに応じた発言権を認めようという理念です。  西クタイ県は、インドネシアの中で、地方分権に対応していち早く森林資源の協治を試みた地方自治体です。そこで、まずはこの地域を主なフィールドとして、地域の環境や資源の「協治」が成り立つ条件(経済・社会・政治・文化の側面に着目)を解明し、協治を巡る諸アクターの利害分析、利害関係者の権限と義務の検討、協治のあり方の改善策についてさらに研究を進めたいと思っています。
 
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