
途
上国の地域振興、特に漁村社会の自立的な発展のために、水産技術を役立てることが研究全体の目的である。この理念に基づいて、従来は、水産分野の技術的な
研究(特に養殖技術)から、水圏環境・生態の保全にかかわる基礎的研究を行っていたが、地域の発展の阻害要因を把握するために、地域社会の技術・経済・文
化などにかかわる社会科学的調査研究も必要に応じて行っている。
したがって、研究の手法としては、自然科学研究手法のみに固執することは考えていない。地研究の過程においては、経済学・民俗学・農業・林業等の他分野の
研究者と連帯も重要であると考えている。地域的には、現在、東南アジアおよびその比較対象として、わが国の水産業、漁村社会の研究も行っているが、将来の
計画としては、アフリカ・中南米の漁村社会の振興にかかわる問題にも取り組んで行きたい。