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鍋谷 浩志(なべたに ひろし)

鍋谷 浩志(なべたに ひろし)
■ 名 前
鍋谷 浩志 (なべたに ひろし)
■ 所 属

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 
食品工学研究領域 反応分離工学ユニット
http://nfri.naro.affrc.go.jp/guidance/soshiki/kougaku/hannou.html

■ 経歴
1984年 東京大学農学部農業工学科卒業
1984年 農林水産省入省 食品総合研究所配属
1993年 博士(工学)
1999年 農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究調査官
2000年 同省 農林水産技術会議事務局 国際研究課 課長補佐
2002年 独立行政法人 食品総合研究所 食品工学部
反応分離工学研究室長
2006年 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
食品総合研究所 食品工学研究領域 反応分離工学ユニット長
■ 専門分野
食品工学、膜分離工学
■ 研究関心

当研究室では、「食を通じた健康の維持・増進」、「食の安全・信頼の確保」、「食料に係る資源の有効利用に基づく循環型社会の構築」等への貢献を目的として、分離技術、反応技術および計測技術を対象とした工学的アプローチを行っています。

分離技術では、省エネ・マイルドな食品分離技術として注目される逆浸透、ナノろ過、限外ろ過等の膜分離技術を対象として、液状食品に適用した際の分離特性やファウリング機構の解明などに取り組むとともに、これらの成果を基盤として新たな効率的膜分離システムの構築を試みています。
また、反応技術では、常圧でメタノール蒸気を連続的に油脂に吹き込むことにより、触媒を用いることなくバイオディーゼル燃料(BDF)を作製できる装置を新たに開発し、油脂のメチルエステル化に関する基礎的研究を実施しています。

さらに、いろいろな化学反応中の状態を微弱な光により計測・評価する研究も実施しており、その成果を基盤として食品の信頼性の確保に貢献する新たな計測技術の開発に取り組んでいます。
■ 研究例
  • 膜分離技術
    当研究室では、チキンエキスから各種膜技術(限外ろ過、ナノろ過)とイオン交換クロマト法を用いて任意の純度の抗酸化性ジペプチド、アンセリン-カルノシン、を精製する技術を新たに開発しました。生体内で発生する活性酸素には多様性があり、各抗酸化剤には有効に作用する活性酸素種があります。ペプチドのアンセリン-カルノシンはClO・系に強い抗酸化作用を持ち、植物由来のポリフェノール類、カロテノイド類、カフェ酸類縁体はOH・系に、ビタミンCはONOO・系にそれぞれ強い抗酸化作用をもつので、これらを含む食品素材の適切な配合により理想的な抗酸化食品の調製が可能となることを調べています。  

  • バイオディーゼル燃料の生産
    実用化されているBDF燃料の作製法はアルカリ触媒を用いた植物油のアルコリシスによる脂肪酸メチルエステル(FAME)の生成のみですが、副産物であるグリセリンを有効利用するためには、アルカリ触媒を除去する精製工程が必要であり、コスト低減の障害となっています。当研究室では触媒を用いることなくFAMEを作製できる装置(過熱メタノール蒸気法)を新たに開発し、油脂のメチルエステル化に関する基礎的研究を実施しています。副生成物のグリセリンの精製や反応生成物の洗浄等が不要なため生産コストが削減できると期待されます。 

  • 微弱発光計測による食品の評価
    化学学反応に伴い食品素材から極微弱な光が発生します。この微弱な光を検出することで、試料の品質状態を計測できる可能性があります。主に食品素材の品質指標となる劣化度や抗酸化性を、従来のように複雑な化学分析を必要とせず簡便に検出することを目的にしています。さらに、発光計測の応用により食品素材への放射線照射履歴を迅速に判別する研究も実施しています。
研究例

研究例
■写真 研究例
■写真 過熱メタノール蒸気法に基づくパイロット・リアクタの外観 (生産性: 1日当たり40㍑)

 
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