岡田謙介 教授

国際農業開発学研究室(地球生物環境学大講座)

■ 専門分野 土壌肥料、作物生理モデル、アフリカ農業

■経歴

1979年 東京大学農学部農業生物学科卒業
1984年 東京大学大学院農学系研究科農業生物学専門課程博士課程修了
日本学術振興会奨励研究員
1985年 国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT・インド)
1990年 農林水産省熱帯農業研究センター
1992年 国際熱帯農業センター(CIAT・コロンビア)赴任
1997年 国際農林水産業研究センター(JIRCAS、熱帯農業研究センターから改組)へ復帰
東京大学大学院農学生命科学研究科農学国際専攻連携併任
2004年 農研機構中央農業総合研究センター関東東海総合研究部 総合研究第2チーム長
2006年 農研機構中央農業総合研究センターバイオマス資源循環研究チーム 上席研究員
2008年 国際農林水産業研究センター研究戦略調査室
2010年 現職

■研究関心

  途上国の厳しい環境条件で作物の生育制限要因を取り除いて生産性を上げ、農家の生活向上に資することを大きな目標としています。そのために、植物が難可給態のリンや窒素を利用する「養分獲得」能力や、酸性土壌・鉄過剰土壌等のストレス土壌に対して持っている抵抗性について、その種間差、品種間差の機構を解明して育種の基礎知見としていくことを追求してきました。一方で農家に直接還元できる作物・土壌管理技術の開発にも関心をもち、問題を圃場から抽出し、新技術を現場の技術体系に徹底して位置づけ、有用なものにしていこうと研究を進めてきています。地理的にはインド、南米等を対象としてきましたが、ここ10年ほどはアフリカを対象とすることが多くなってきました。これらの研究は国際農業研究協議グループ(CGIAR)傘下の国際研究所との連携で行ってきました。またもっとも身近な国内の圃場あるいは農家レベルでの農業技術問題にも積極的に関わっていきたいと思っています。

定着遊牧民からの聞き取り調査(ニジェール)

■研究例
  1. アフリカの半乾燥地における在来有機物を利用した土壌肥沃度改善:ニジェールやブルキナファソにおいて、在来型有機物施用やマメ科輪作の効果を窒素動態の面から解明し、肥料を利用できない現場農家の技術向上を目指しています。
  2. 作物モデル研究:オーストラリアで開発された汎用型作物生育モデルAPSIMを利用し、ムギの適正追肥法や、陸稲の生育適地判別を行っています。
  3. 酸性土壌耐性メカニズム:南米の亜湿潤サバンナにおいて、陸稲の酸性土壌抵抗性の品種間差の解明を行い、国際研究所の育種に用いる迅速スクリーニング法を開発した。
  4. 油糧作物バイオマス研究:日本の農地の資源循環利用と地域活性化のために、湿害の起きやすい休耕田で油糧作物であるナタネ、ヒマワリを安定して機械化栽培する技術を開発し、搾油、バイオディーゼル製造と利用までの実証研究を行った。
  5. 土壌肥沃度診断技術:現場で簡易に利用できる窒素供給力判別法を開発した。またさらに途上国でも役に立つ診断技術を開発している。

鉄過剰水田からの土壌溶液採取(フィリピン、イロイロ島)