秋山拓也 准教授

国際植物材料科学研究室(国際植物生産学大講座)

■ 専門分野 植物細胞壁化学、木材化学、リグニン

■経歴

1997年 東京農工大学農学部 応用生物科学科 卒業
1999年 東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻修士課程 修了
1999年 大日本印刷株式会社 中央研究所
2002年 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2003年 東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻博士課程 修了
2004年 東京大学アジア生物資源環境研究センター 博士研究員
2004年 米国農務省農業研究局酪農研究所 博士研究員
2008年 理化学研究所 植物科学研究センター 基礎科学特別研究員
2009年 東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 特任助教
2010年 東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 助教
2019年 森林研究・整備機構 森林総合研究所 森林資源化学領域 主任研究員
2022年 東京大学大学院農学生命科学研究科 農学国際専攻 准教授

■研究関心

一口に細胞壁と言っても、植物種、部位、組織が違えばその化学成分や物性は異なり多様です。それら細胞壁の中で、樹木の木部は古くから産業ベースで利用されています。木部から木材を生産して建築材料に用い、木部を化学処理して紙を生産し、またセルロースを各種誘導体化した化学製品は私達の身の回りの暮らしを支えています。そして現在、木部以外にも、未利用な植物資源を積極的に利活用することが求められています。

木部に関する知識と既存の利用技術をそのまま他の細胞壁に適用できればよいのですが、木部原料を農業残渣や樹皮などに置き換えると、時として解決の難しい問題に対面します。このとき化学的側面から原料特性を調べることは問題解決の原因を探る一つの手段となります。細胞壁を構成するセルロースやヘミセルロースの多糖類を始め、木化現象を担う難分解性の高分子であるリグニン、またその他成分の化学的特徴を明らかにすることを通して、各種植物が持つバイオマス利用の原料としての潜在性を掘り起こしていきたいと考えています。

■研究例

・樹皮の細胞壁成分に関する研究
・あて材の化学成分分析
・化学反応性に則したリグニンの構造解析
・立体化学構造に基づくリグニン生合成研究
・キノンメチド型リグニンモデル化合物への水付加反応実験
・化学分解法とNMR法によるリグニン分析手段の開発

■論文

こちら>をご覧ください。