・森林と炭素動態
森林は、光合成・呼吸によるガス交換を通じて、地球全体の陸上−大気間の炭素循環に重要な役割を果たしています。世界的には、北から亜寒帯林、温帯林、熱帯林と3つの主要な森林生態系が分布していますが、これらの森林が、それぞれ地球規模の炭素循環にどのような形で関わっているのか、その詳細はじつはまだよくわかっていません。森林の伐採や劣化を温暖化対策の活動(REDD+)をとおして防ぐためにも、森林の炭素蓄積量(バイオマス)やその動態を、広域かつ高精度で把握する必要があります。こうした観点から、現在、ロシア・シベリアの亜寒帯林とブラジル・アマゾンの熱帯林を対象にした炭素動態に関する海外研究プロジェクトに取り組んでいます。
・人工林の管理
日本の森林の約半分は、スギやヒノキなどの人工林です。それらの多くは、戦後に植栽されたもので、40-60年生とちょうど伐期を迎えています。しかし、林業不振で伐採しても採算がとれないため、間伐などの手入れができず、伐期自体を延ばす方向で(長伐期化)管理されつつあります。こうした人工林の適切な管理を模索するために、おもに樹木の成長面から大径材生産の可能な施業法について研究を進めています。
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