新機能植物開発学研究室での研究
新機能植物開発学研究室では、バイオテクノロジーを駆使して広く社会に貢献できる新しい機能を持った植物の創成に関する研究を行っています。
植物の代謝経路を利用したり、増強したりすることにより有用物質の生産を行う植物の作成、植物が栄養金属元素を吸収しにくい土壌でも生育可能な作物の作成、鉄や亜鉛を多量に含む作物の育成などを行っています。
植物のミネラル栄養に関る研究
植物(おもにイネ)が鉄、亜鉛などのミネラルを土壌からどのように吸収し、葉や実、種子へどのように運んでいるのか、そして、この経路にはどのような分子や、タンパク質、遺伝子が関わっているのかを明らかにします。ここで明らかにした遺伝子を使って、鉄欠乏耐性作物、高鉄含有作物などを作成します。
・高等植物におけるニコチアナミンの機能解明
・鉄栄養による遺伝子発現の制御機構
・ムギネ酸類分泌の分子機構
・植物のストレス耐性機構に関する研究
・イネ科植物の金属イオントランスポーターに関する研究
・鉄欠乏耐性植物の創製に関する研究
・ニコチアナミン合成酵素に関する研究
・植物における鉄の吸収,移行,転流の分子機構
・機能性食品ニコチアナミン米の開発
・植物の亜鉛栄養に関する研究
鉄、亜鉛強化作物(イネ、サツマイモ)の作成
主に途上国で問題となっている鉄、亜鉛欠乏症を解決するため、イネやサツマイモに遺伝子を導入し、必須微量金属元素である鉄や亜鉛を土壌からより多く取り込んでコメやイモに貯め込ませる研究です。このイネやサツマイモは現地の人達が自ら栽培し食べるだけで鉄、亜鉛欠乏症を解消でき、医療後進国に住む子どもたちを救います。
カドミウム低集積作物の創製
カドミウムはイタイイタイ病の原因物質である有害な重金属です。食用としてより安全な低カドミウム作物の創製に取り組んでいます。
有用物質を蓄積する作物「食べるワクチン」の創製
発展途上国を中心に感染症が深刻な問題となっています。国際動物資源科学研究室と共同で、免疫獲得に向け重要となる抗原タンパク質を生産、蓄積する作物である「食べるワクチン」の創製に取り組んでいます。毛状根を利用した有用物質の生産に関する取り組みも行っています。
海外実地研究
博士課程、修士課程で行った海外実地研究の例です。
2007年 アメリカ(シンポジウム、大学訪問)
2006年 中国(国際会議、大学訪問)
2002年 アメリカ(国際会議、遺伝子組み換え作物)
2001年 フランス(シンポジウム)、スコットランド
2018年 オーストラリア(大学)
2018年 イタリア(FOA)
2011年 マレーシア(大学、プランテーション)
2007〜2010年 タイ(農村開発)
2005年 アメリカ(大学、農場、企業)
2003〜2004年 ベトナム(大学、試験研究所)
1997〜2002年 インドネシア(大学、試験研究所)
就職先
千葉大学、香川大学、横浜市立大学、石川県立大学
園芸植物育種研究所、食品会社(毎日乳業/韓国)
食品会社(伊藤園、ミツカン、カネボウフーズ、日清オイリオ、三和酒類、森永乳業、ゼンショー本社)
製薬会社(再春館製薬所、塩野義製薬、アステラス製薬)
農林水産省(植物防疫所)
その他(CAC、iiSC、EM研究機構、三菱商事、アクセンチュア、みずほ情報総研、NTTデータ、三菱電気、ブリジストン、シグマクシス、三菱総研、三菱食品、中日新聞、タキイ種苗)