研究内容

不良栽培環境における気候変動適応技術の開発

フィリピン・タルラック県:農家水田におけるイネ直播技術実証試験

熱帯途上国の食糧問題解決と貧困削減を目指す国際協力に向けて、干ばつ・洪水地帯の稲作生産性向上のための研究を行っています。研究圃場での作物生育の解析とフィールドワーク(実態調査)の双方を重視し、栽培技術の改善策を検討します。研究と技術普及のリンクは重要な要素ですので、農民の実情、変わりゆく農業の形を出来るだけ念頭に置いています。

フィリピン・イロコスノルテ県:干ばつ条件下の水稲施肥試験 / 洪水への適応:イネはいつ栽培するのが良いのだろうか?

作物栽培システムの持続性に関する多面的評価

有機物長期連用試験圃場:トウモロコシとコムギを栽培・約4000 m2

持続的な環境調和型作物栽培システム確立のためのフィールド研究を行っています。また、作物収量、生産コスト、農作業効率、環境負荷等にはトレードオフが働くことが多く、収量だけに着目するのではなく作物栽培の様々な構成要因を評価しています。持続性を検討するためには経年変化の追跡が必要なため、長期連用試験圃場を設計・運用しています。

有機物連用試験における異なる堆厩肥資材の効果:学生と肥料散布 / リモートセンシングによるフィールド診断

雑草の生理生態的特性を生かした持続的な農耕地管理

コドラート法による畑地の植生調査

農耕地に生える草本を対象に、農業生態系における役割を探究しています。作物栽培・環境保全・植物進化・情報科学の研究者が連携して、作物/草地生態系内の雑草種・野草種の自動識別システムの開発や、野草・雑草・作物の個体群動態と関与する環境適応能の解明に取り組んでいます。

作物管理と品種特性評価へのドローン画像解析の応用

ドローン空撮画像を用いた作物個体成長解析

ドローンや自動走行ロボットなどで撮影したフィールド作物画像を解析し、作物生育(成長曲線や品種・系統間差異)の迅速な自動評価に応用したり、新たな作物群落構造解析の在り方を検討したりしています。Field phenomics (フィールド作物のハイスループットフェノタイピング)分野と agronomy 分野の融合です。

ドローン空撮画像から水稲茎数を推定

イネの直播適性に関わる発芽特性と初期生育

試験管での無酸素条件における鞘葉伸長性 / 圃場での直播苗立ち試験

稲作の低コスト化に向けて、直播栽培を取り入れる農家が多くなっています。直播栽培では、苗立ち性向上、雑草競合強化、分げつ制御、倒伏耐性が必要です。このうち、特に湛水直播栽培での苗立ち性向上を目指して、系統育成を行っています。特に、低酸素発芽性、低温発芽性、種子休眠性等の形質に着目し、実験室と圃場の両方で評価を行っています。