
建築研究所時代には、建築材料(廃棄物の有効利用、木質系材料の適正利用等)や世界各国の木造建築物(主に住宅、木橋等)の構法開発等、地震後の被災度判定技術や復旧技術、大断面木造建築物の開発、建築物の耐久性などの性能等に関する研究。さらにインドネシア等における木造住宅の開発などが主流でしたが、東大に赴任してからは、主に東南アジア地域を対象とした早成樹種や農業廃棄物など未利用バイオマス資源の地域内(主に東南アジア地域内)における適正利用技術の開発などを実施しています。これら技術開発の根底には、植物バイオマスの主流であるリグノセルロース材料の有効利用技術があり、例えば、その方策の一つとして接着剤を用いず材料同士を相互に接着するバインダーレス接着を検討しています。その他、接着剤の代わりに東南アジア地域で多く生産されているセメントを接着剤の代わりに用いた建築材料等の検討も実施しています。また、早成樹種を中心にした農業経営の方策についてもベトナムのメコンデルタ地域を対象に実施しています。いずれにしても、植物バイオマスの有効利用技術全般に関するハード・ソフト両面の研究等を対象地や国内等において実施しています。これらは土泥臭い研究ですが、森林資源の持続的な維持管理あるいは地球環境の保全等を考慮した場合には必須の研究です。興味のある方は一度門戸を叩いてみて下さい。