国際開発農学専修とは

■ 国際開発農学専修とは ■

貧困と飢えを克服するため、世界各地で経済開発の努力が積み重ねられてきましたが、その過程で無理な政策が実行されたために、砂漠化、熱帯雨林の破壊、水域汚染、水産資源の枯渇など環境破壊が進んでしまいました。このことは、その地域に住む人々にとっての生活基盤を脅かし経済の発展自体を阻害する要因になるというだけでなく、地球規模の環境の悪化としても強く懸念されています。このような歴史の反省から、経済成長だけを目的とするのではなく、生態系・環境の維持にも配慮した持続可能な発展を基本概念とする開発手法が提唱されるようになりました。このような新時代の開発援助を担う専門家には、環境や生物資源についての自然科学的な知識だけでなく、また、経済や文化など社会科学的な知識だけでもない、両者をカバーする幅広い見識が求められるでしょう。しかしこのような人材はまだまだ不足しているのが実情です。

本専修では、2年間の学習期間を通して、様々な角度から21世紀の国際協カや開発援助のあり方を学生諸君なりに摸索してもらいたいと考えています。多様な開発問題を埋解するには、少しでも実践的な体験を積むことが重要です。そのため耕地、森林、水圏、畜産に関する実習プログラムと国際的な感覚で農業を知ってもらうための海外実習プログラムが用意されています。演習や卒論指導などを通じて、農学部の様々な分野の教員が従来の学問領域の枠を越え、専修プログラムをサポートしていることも当専修の特徴の一つです。開発問題に深い関心をもつ学生、将来国際協力の分野での貢献を目指したい学生の進学をおおいに歓迎します。

本専修をご理解いただくために、平成18年12月2日に開催された農学国際専攻創立10周年記念シンポジウムで行われたパネルディスカッション「農学の国際展開」において、農学国際専攻・国際開発農学専修の教育について語られた一部を紹介しています。(掲載にあたり表現を改めたところがあります)ご参照ください。

農学国際専攻創立10 周年記念シンポジウムから