露木聡 教授

国際森林環境学研究室(地球生物環境学大講座)

■ 専門分野 森林科学、リモートセンシング、空間情報処理

■経歴

1984年 東京大学農学部林学科卒業
1986年 東京大学大学院農学系研究科林学専門課程修士課程修了
1988年 東京大学農学部助手
1997年 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教授
2018年 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授

■研究関心

森林のことを知ろうとするとき考えなくてはいけないのは、森林は歴史を持っているということです。つまり、現在の森林だけではなく、その森林がどのような変遷をたどってきたかを、その森林の周囲の状況を考え合わせながら見てゆく必要があります。ところが森林は広大です。(農地だって都市域だって広いのですが、森林はもっと広くて行きにくい場所にたくさんあります。)
もちろん現地に自分で行って詳しく調べることが一番大切です。でも一人(数人のグループでもかまいませんが)で調べることができるのは、広い森林に比べるとほんのわずかな点に過ぎません。そんなに詳しくなくてもよいから森林を丸ごと知りたい!という場合には、リモートセンシング技術を使って、面として森林とその周辺のようすを一度に調べることができます。そして現地調査の点とリモートセンシングの面を結ぶのはGPSであり、GIS(地理情報システム)です。これらは最近では3S技術と呼ばれたりしていますが、どれも空間情報を扱う技術です。世界各地の森林を保全してゆくために、これらの空間情報処理を道具としてどのように役立ててゆくことができるかを考えていきたいと思っています。

■研究例

インドネシア・中カリマンタン州の「100万ha水田開発計画」により発生した土地被覆変化を、1985年、1993年、2000年のLandsatデータにより解析した。それによると、1985年に約40万haあった森林は、2000年までにその約76%が伐採され、約9.4万haに減少した。