佐藤保 准教授

(国研)森林総合研究所 植物植生研究領域

■ 専門分野 森林生態学、造林学

■経歴

1990年 宇都宮大学農学部林学科卒業
1990年 森林総合研究所九州支所 研究員
2002年 森林総合研究所 森林植生研究領域 主任研究員
2006年 環境省地球環境局総務課 研究調査室 室長補佐
2007年 森林総合研究所 森林植生研究領域 主任研究員
2010年 森林総合研究所 森林植生研究領域チーム長(更新管理担当)
2015年 森林総合研究所 森林植生研究領域 植生管理研究室長
2016年 森林総合研究所 森林植生研究領域 群落動態研究室長
2017年 森林研究・整備機構 森林総合研究所 森林植生研究領域長

■研究関心

森林は木材生産だけなく、水源涵養や二酸化炭素の固定など様々な機能を有しており、その価値は70兆円を超えるとの試算もあります。森林の持つ二酸化炭素を固定する機能は、地球温暖化防止に貢献しており、我が国の温室効果ガスの削減目標達成にも重要な役割を果たしています。海外に目を向けると、途上国の森林の減少による温室効果ガス放出が全世界の放出量の約1割を占めていることから、その削減が重要な課題となっています。REDD+は「途上国における森林減少・森林劣化に由来する排出の抑制、並びに森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の増強」とされる途上国での森林減少・劣化を抑制する努力を評価して、インセンティブを与える仕組みですが、着実に推進するためには実施国がいかに正確に森林炭素蓄積量を推定できるかが鍵となります。そこで、森林タイプや利用形態が異なる東南アジアや南米を対象に、森林炭素蓄積量を広域に低コストかつ推定精度を低減させない測定手法の開発に取り組んでいます。

■研究例

・熱帯林の炭素動態(マレーシア、タイ、インドネシア、カンボジア)
・樹木バイオマスによる炭素蓄積量の効率的な計測手法の開発(ミャンマー、ペルー)
・照葉樹林の台風撹乱後の純一次生産量の変動(九州)
・針葉樹人工林への広葉樹の誘導技術(関東)

バイオマス測定のための破壊調査(パラグアイ)

熱帯林での森林調査 (マレーシア)